北方という厳しい環境における
未来へ向けた自然と人との対話
北方という厳しい環境における
未来へ向けた自然と人との対話
利尻礼文サロベツ国立公園。利尻山をはじめとする山岳や、さまざまな高山植物、そして日本最大級のサロベツ原野など、ダイナミックで変化に富んだ景観を持つ。そして2024年には50周年というアニバーサリーイヤーを迎える。
一大観光地として、多くの人々を受け入れている一方で、さまざまな課題も抱えている。
それらを解決すべく、身を粉にして動き続ける北の守人たち。
最北の国立公園で交わされる、自然と人との対話。
そこには共生の未来へのヒントが詰まっていた。
- 案内人
- 岡田 伸也 / 熊谷 洋人
- 案内地
- 利尻礼文サロベツ国立公園
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撮影 木本 日菜乃
文 櫻井 卓
People
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トレイルワークス代表
岡田伸也さん
2006年にアクティブレンジャーとして利尻島に来た際に、登山道の荒廃を目の当たりにし、西日本科学研究所の故・福留脩文氏に近自然工法を学ぶ。その後2011年に利尻島で登山道整備会社「トレイルワークス」を立ち上げる。国内外の登山道整備のやり方なども参考にして、利尻山に最適な登山道整備の方法を模索している。
『もろく崩れやすい山』利尻山における登山道整備プロジェクト
https://yamap.com/support-projects/925
#YAMAP #クラウドファンディング
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自然ガイド
熊谷洋人さん
生まれも育ちも利尻島。もともとはボランティアで利尻の自然を案内しはじめ、4年前から自然公園指導員に。自身が整備している地元の低山、ポン山には通算で1000回以上登っている。
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礼文町高山植物培養センター
村山誠治さん
礼文町役場・自然環境係長。レブンアツモリソウの保全管理や、倒木の調査などを担当。研究者として、共生菌を使ったレブンアツモリソウの培養もおこなっている。
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サロベツ農事連絡会議会長
山本寿昭さん
豊富町で酪農を営むかたわら、湿原の保護活動にも積極的に参加。「上サロベツ自然再生協議会」においても、重要な役割を果たしている。2017年には「サロベツ湿原再生を目指す農地と湿原の共生」の取り組みが評価され、農業農村工学会賞「上野賞」を受賞。
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サロベツ・エコ・ネットワーク
長谷部真さん
環境省の案内施設「サロベツ湿原センター」を拠点とするサロベツ・エコ・ネットワークでは事務局長をつとめ、生物環境保全を担当。湿原の保護・管理のほかにも、野鳥の調査なども手がける。湿原保護のバックヤードツアーも定期的に開催している。
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豊富町役場
黒川和樹さん(右)
山形雅弘さん(左)
サロベツ湿原がある豊富町役場の職員。黒川さんは商工観光課で、サロベツ湿原を広く知ってもらうために様々な試みをおこなっている。山形さんは業務としては関係ないながら、プライベートで「エコモープロジェクト」を運営。