種を蒔く存在としての移住者と
共に育てるローカルの関係
瀬戸内海国立公園は海域を含めると90万haを超え、国内で最も広い国立公園だ。とうぜん、この国立公園内には数多くの人が生活している。保護と利活用という文脈においても、それらの人々の暮らしを知ることはとても重要なはずだ。この地域は古くから大きな海を共有している関係から、混ざり合いの文化があったという。今回着目したのは、その混ざり合い。現在、各地で起こっている移住者による地域活性の現場を見るのに、この瀬戸内海国立公園ほど適した場所はないのではないだろうか。そんな思いで訪れた瀬戸内海に浮かぶ島々の1つである小豆島。そして生口島に位置する瀬戸田では、移住者とローカルの素敵な関係が待っていた。
- 案内地
- 瀬戸内海国立公園

撮影 木本 日菜乃
文 櫻井 卓
People

クライミングジム ミナウタリ代表
渡利知弘さん
2016年に東京から小豆島へ移住。島唯一のクライミングジム「ミナウタリ」の経営や小豆島クライミング協会会員というクライミング軸の活動のほか、特殊伐採作業や、家具職人のキャリアを活かして、木工製品製作や大工仕事などもおこなっている。
https://minautari.com/

箭木農園
箭木宏中さん
奥中山というエリアで原木椎茸を栽培。現在は息子の槙也さんが五代目を務めている。椎茸栽培のほかに、島の山仕事を請け負っている。箭木さんの宴会場には、多くの移住者たちも訪れる。

SEN GUEST HOUSE
マシュー・アイアナロンさん、範子さん
松山から小豆島に移住し、現在はSEN GUEST HOUSEを営む。小島遍路のマップ「Shodoshima 88 Temple Pilgrimage」も発行。マシューさんは島内のクラフトビール屋「まめまめびーる」さんでオリジナルのビールも製造している。
https://www.senguesthouse.com

Staple取締役
小林亮大さん
大学在学中に世界一周の旅へ。卒業後Stapleへ就職。現在は瀬戸田のエリアマネージャーを務める。商店街の空き家開発、マラソン大会や映画祭の企画、柑橘産業の支援など、その活動は多岐にわたる。
https://staplejp.com

れもんだに のうえん
永井英夫さん
瀬戸田のレモン谷で自然農法(肥料・農薬不使用)によりレモンを中心に柑橘類を栽培。農園事業だけでなく、レモンを使った精油事業や洗剤事業など、レモンを軸に幅広く展開している。
https://remondaninouen.jimdofree.com

Azumi Setoda ゼネラルマネージャー
窪田 淑さん
バリ島やプータンなどのアマンリゾートで経験を積み、2019年からAzumi Setodaの会場準備に参加。いまは女将として数多くのゲストを出迎えている。向かいには同系列の銭湯「yubune」も展開。
https://azumi.co/ja/setoda

しおまち商店街の輪会長
山口広三さん
しおまち商店街で「お食事処 わか菜」を営むかたわら、しおまち商店街の輪会長、尾道しまなみ商工会理事、尾道観光協会理事などを兼任。瀬戸田の未来のために多忙な日々を送っている。