世界を映す鏡の島で
自然の輪の中に戻る
突然、海から山が現れる。生えている、という表現を使いたくなるほど、屋久島は海から急激に迫り上がっている。
この島が洋上のアルプスと呼ばれる所以だ。
亜熱帯から冷温帯まで多くの気候帯を持ち、その恵まれた自然環境から、国立公園だけでなく世界遺産にも選定されている。
屋久島は、世界の縮図のような場所なのだ。
ただし、そんな豊かな島の自然も、いまアクションを起こさなければ荒廃していってしまう恐れがあるのも事実だ。
世界の自然を映す鏡のような屋久島で、自然に対する働きかけを諦めていない人々に会いに行く。
- 案内地
- 屋久島国立公園

撮影 木本 日菜乃
文 櫻井 卓
People

モスオーシャンハウス
今村祐樹さん
2002年に大阪から屋久島へ移住。現在は美しい水環境の再生を軸に建築、教育、アート、土木、造園など、さまざまなジャンルのメンバーたちと協力して「森川海を豊かにするめぐりとつながりをうみだす流域プログラム」を体験できる流域のがっこうを展開。企業向けのツアーなども行っている。

tono inc
小野司さん
早川邦彦氏他の設計事務所での建築家修行を経て、2016年に株式会社tonoを設立。2020年、コロナ禍を機に屋久島に移住。近年では自然との関係性を活かす、菌を活用したリジェネラティブな建築設計・デザインが世界中で高い評価を得ている。

屋久島レクリエーションの森保護管理協議会
高橋紘栄さん
屋久島出身。一度島を出たが、2001年から屋久島レクリエーションの森保護管理協議会に。消防団にも所属し、山岳遭難捜索救助活動なども行っている。

屋久島レクリエーションの森保護管理協議会
服部大介さん
大阪府出身。屋久島に来てから漁師などの仕事を経て、2011年から白谷雲水峡での業務に従事。山岳保全活動だけでなく、白谷小屋の管理など多岐にわたって活動している。