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屋久島国立公園 2024.04.27(土) - 04.29(月) 太古の自然が息づく屋久島の隠れた魅力を探求する旅 3日間

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Overview

世界自然遺産にも登録されている屋久島国立公園は、古代の森が生い茂り、多様な生態系が育まれています。
しかし、屋久島を訪れる登山者のほとんどは縄文杉や知名度の高い白谷雲水峡に集中し、以前よりオーバーツーリズムが懸念されていました。し尿対策、車両乗り入れの制限、協力金制度の導入など、これまで様々な対策がなされております。
今回の旅では、屋久島在住の方々の協力を得て、縄文杉や白谷雲水峡にも負けない屋久島の隠れた魅力を体験していただくことを大きな目的で企画しました。今、旅を振り返り、何度も屋久島を訪れたいと思う素晴らしい旅となりました。

Schedule
1日目
発着 鹿児島港 集合
食事 夕食
宿泊 屋久島環境文化研修センター
  • 鹿児島港集合。 高速船で屋久島へ。(約2時間45分)。
  • 専用車で、屋久島環境文化村センターへ。
    専門スタッフによる解説で屋久島について学びを深めます。また 3月にOPENしたTHE NORTH FACE屋久島店にも訪問します。
  • その後、島の最北端に位置し、古くから漁業の町として栄えた一湊集落へ。
  • 一湊集落は屋久島の特産品で有名な「首折れサバ」が有名で、散策しながら歴史、文化、自然、産業を地元の語り部ガイドがご案内します。
  • 安房から西の山の中腹にある屋久島環境文化研修センターへ。屋久島の環境文化を学べる施設に宿泊します。夕食はBBQを楽しみます。
2日目
発着
食事 朝食・昼食・夕食
宿泊 屋久島環境文化研修センター
  • 朝、専用車でヤクスギランド駐車場へ。
  • 登山ガイドと合流し、ヤクシギランド(標高約1,000m)を経て、太忠岳(たちゅうだけ、1,497m)の山頂を目指します。
    屋久島を代表する屋久杉や様々な巨木に出会うことができる素晴らしいコースです。ヤクスギランドの抜けると足場の悪いルートが続きます。慎重に歩みを進め、太忠岳へ。山頂には、40mの天柱石が聳え立ち、眼下には素晴らしい景色が広がります。その後、ヤクスギランド駐車場に戻ります。
  • 専用車で屋久島環境文化研修センターへ戻ります。地元食材を使用した夕食です。
3日目
発着 宮之浦港、屋久島空港解散
食事 朝食・昼食
宿泊
  • 専用車で、西部林道へ。途中、大川の滝に立ち寄ります。
  • 海岸線に近い、西部林道では亜熱帯性の樹木も見られ、前日の太忠岳登山とは違った屋久島の姿が見られます。屋久島における自然保護の歴史や植物の垂直分布、動植物の生態など自然とのかかわり方など専門ガイドの案内で巡ります。
  • 途中、昼食を済ませ、宮之浦港に近い屋久島環境文化村センターへ立ち寄ります。その後、解散。希望者は、そのまま専用車で屋久島空港まで送迎します。(解散予定時間 宮之浦港15:00、屋久島空港15:30)

Daily Digest

2024.04.27(fri)

曇り時々小雨(20℃ /16 ℃)

当日の服装

屋久島の標高が低いエリアでの活動のため、カットソー1枚の上に雨対策のためにレインウェアを羽織る方が多かった。行動中は暑さを感じることがも多かったので、着脱しやすいウェアが適していた。

9:30 鹿児島港集合 鹿児島港に集合し、顔合わせを済ませて、高速船で屋久島を目指す。

12:55 屋久島到着

屋久島の南東に位置する安房港に到着すると、これまで降っていた激しい雨が止み、時折晴れ間も覗かせた。バスに乗り込み、宮之浦集落の屋久島環境文化村センターに向け、車を走らせる。山岳エリアには霧が立ち込めるものの島らしい急峻な景観は山麓からでも認識することができた。

13:40 屋久島の概要を学ぶ

屋久島環境文化村センターの解説員の案内で、海から里、山岳地帯まで屋久島の概要を学ぶ。日本屈指の豊富な雨がもたらす自然の恵みが、表情豊かな自然を形成している。解説員から「屋久島は日本列島が詰まっている」と紹介された。直径30kmに満たない屋久島には、海抜0mから九州最高峰の宮之浦岳(1,936m)を主峰とした山岳エリアまであり、冬は雪が降ることもある。ハイビスカスやガジュマルが見られる亜熱帯気候から北海道並みの亜寒帯気候までの気候帯を有し、それにより植物の垂直分布を見ることができる。今後の旅への期待も高まった。

屋久島環境文化村センターには自然と共生する新しい地域づくりをめざす「屋久島環境文化村構想」を推進するための拠点施設で、島のジオラマや展示ホールも充実しており、大型映像ホールも有しています。 屋久島環境文化村センターにはTHENORTHFACE屋久島店が併設しており、必要な装備や屋久島限定商品も取り揃えています。

14:30 一湊集落里巡り

古くから漁業の町として栄え、一番良い湊(みなと)ということで名付けられた一湊集落。現在も屋久島の特産品で有名な首折れサバの生産地でもある。幼少期から一湊集落に住んでいるガイドの寺田さんは、かつての実体験を織り交ぜながら案内してくれた。ガイドブックには掲載されていないリアルな情報が多く、一湊への愛も感じられ、初めてこの場所を訪れた我々に一湊を身近に感じさせてくれる素晴らしいガイディングだった。もう一人のガイドの中島さんは、地元の祭りの際に歌い手としても活躍されており、一湊音頭を披露してくれた。

一湊集落の伝統的なお祭りや伝記、さらに過去と現在をつなぐ、地元ガイドの解説は興味深い内容ばかりだった 道路脇にカジュマルが見られる。ガジュマルが自生する最北端が屋久島とのこと。 参加者の希望に応えて一湊音頭を披露してくれた。地元の祭りで歌われない貴重な歌もあるとのこと。


一湊集落で印象に残っているのは、樟脳(しょうのう)を伝統的な手法で作り続けているくすの木ガレージだ。原料は、クスノキと水のみという、天然由来の防虫剤である樟脳は、江戸時代から薩摩藩の特産品として藩の財政を支えてきたとのこと。現在で樟脳を生産している工場は全国に4カ所しかなく、珍しくなっているが、自然回帰の意識が高まっている現在だからこそ需要が増えるのではないかと思う。普段の生活で触れることができないプログラムに皆さん興味深々だった。

17:30 屋久島環境文化研修センター到着

一湊集落に別れを告げ、宿泊する屋久島環境文化研修センターへ。到着後、全員でBBQの準備に取り掛かった。焼き台のセットから火おこしなどスタッフ、参加者ともに働く。肉や野菜に加え、屋久島特産である飛魚も並び、ワイルドに網に乗せていく。慌ただしくなったものの、交流を深めた良い夜となった。

2024.04.28 (sat)

曇り時々雨 (18℃ /12 ℃)

当日の服装

登山口であるヤクスギランドは標高約1,000m。登山出発時は少し肌寒く感じるため、薄手のソフトシェルを羽織り、歩き出す。樹林帯で風がないので、体温が上がるとベースレイヤー1枚でも十分となった。太忠岳山頂付近は標高約1,500mあり、山頂の岩に上がると風と雨も強まったためレインウェアを着用。

8:30 太忠岳登山

ヤクスギランド駐車場にてガイドの渡辺さん、内室さん、東さんの3名と合流。トイレと運動を済ませ、登山開始。ミソサザイの鳴き声が苔生した森の中に響き渡っていた。
この素晴らしい森は、300年以上も前に伐採された歴史があり、大きな切株が至る所に見られた。屋久島の人々は、江戸時代に年貢として杉材を収めるため、大量に伐採していたとのこと。しかし長い年月が経ち、横倒しに放置された大木は、朽ち果て土となり、それが栄養分となって周辺の木々を支えている。切株からも新たな命が誕生し、自然の循環が森を育んでいた。中には、蛇紋杉(倒木)やひげ長老など伐採を逃れ、樹齢1,000年を超える屋久杉も存在している。

天文の森まで到着すると太忠岳を目指すためヤクシギランドのルートを外れる。トレイルも悪くなり、さらに急な登りとなる。木の根をつかみよじ登ったり、巨石をくぐったり、皆さん、辛くも楽しみながら(?)山頂を目指した。ここからは世界自然遺産にも指定されるエリアで、多様なコケ類やシダ類が生育し、さらに巨木も多く独特な森の雰囲気が漂っている。最後の難関である岩登りをクリアすると、太忠岳の山頂(1,497m)だ。山頂に聳え立つ巨石・天柱石は霧に包まれており、その全容はぼやけているものの、直下から見上げる姿は圧巻だ。
山頂周辺は花崗岩の巨石が多く、屋久島の成り立ちを物語ってくれる。屋久島は火山が噴出してできた島ではなく、海底のマグマが固まってできた花崗岩が造山活動により隆起して、一部の岩塊が海面に表れて形成された島である。岩をよく見ると石英や長石が見られ、屋久島の花崗岩の特徴とのこと。遠くに見える海が不思議と近くに感じられた。

昼食を済ませ、往路を下山。同じ道を辿っているのに新鮮に思えるのは私だけだろうか。 下山後、ホテルへ。2日目終了

2024.04.29 (sun)

曇りのち晴れ(23℃/17℃)

当日の服装

西部林道の標高は低いため、やや蒸し暑さを感じる。ただし、ヒルなども多いため、皮膚を露出しない薄手の服装がベストだった。

09:00 大川の滝へ

屋久島環境文化研修センターを後にし、島を時計回りで西部林道へ入っていく。大川の滝(おおこのたき)に到着。日本の滝百選にも選定され、高さ88mもあるホルンフェルス(変成岩)で形成された断崖から、豪快な水しぶきをあげて流れ落ちていた。滝つぼの近くまで行くことができるようだか、この日は水量も多く展望地からでも十分な迫力だった。滝壺には平家の落人が財宝を埋めたという伝説があるという。

10:30 西部林道

大川の滝から先は西部林道となり屋久島灯台入口までの沿岸道路にあたる約17kmの道が世界自然遺産のエリア内である。西部林道一帯は海岸からも近く、太忠岳登山では見られなかったガジュマルやアコウが見られた。車を降り、道なき道を歩くとかつて集落があった場所へたどり着いた。炭場の跡も見られたが痕跡は多くはない。多種多様な生きものが生息しているが、その中でもヤクザルやヤクシカといった屋久島固有の野生動物との出会えるのも貴重だ。車窓から子ザルを連れたヤクザルが見られ、森に入ってすぐに立派な角を有したヤクジカと遭遇することができた。

13:00 ウミガメの産卵地いなか浜

途中、アオウミガメやアカウミガメの産卵地で有名ないなか浜に立ち寄り、海を眺めているとウミガメが泳ぐ姿が見られた。最後まで屋久島の豊かな自然に触れることができた旅となった。

14:00 宮之浦にて解散

屋久島環境文化村センターにて挨拶を済ませ、解散。 解散後も、延泊し屋久島観光をしたり、再び山の中へ入る方、残り時間を使って益救神社を見学に行ったり、買い物をしたりと、残りの屋久島タイムをそれぞれ堪能していた。私も気が付くと、次の屋久島の計画を立てていた。また屋久島に戻ってきたい。

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