吉野熊野国立公園 2024.05.11(土) - 05.12(日) 歴史を紡ぐ吉野の桜に触れる旅 2日間
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春の桜で有名な吉野山。桜の満開の期間はおよそ1週間。
美しい吉野山の桜には修験との深い関係があり、そしてその桜を守る人々がいます。
桜をきっかけに過去と現在を紡ぐストーリーに触れ、そして未来へと繋がる活動に参加いただき人と自然との共生や尊重の大切さを学ぶことができた1泊2日の旅となりました。
発着 | 吉野駅(近鉄) |
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食事 | 夕食 |
宿泊 | 太鼓判 花夢花夢 |
- 吉野駅集合。
集合後、ケーブルと徒歩で修験道の修行の拠点として知られる金峯山寺へ。
- 金峯山寺で修験僧侶(山伏)から吉野の歴史や修験道と桜の関係などの法話をお聞きします。
- 路線バスにて修行門へ。
- 山伏とともに奥千本にひっそりと立つ世界遺産・金峯神社へ。さらに吉野山最高峰である青根ヶ峰(858m)を登頂し、西行庵などの名所を巡り、修行門へ戻ります。
ここから吉野水分神社まで緩やかに下ります。吉野地域を見下ろすことができる花矢倉展望台を経由し、宿へ。
- 宿泊は、世界遺産・吉野山にひっそりと佇む太鼓判花夢花夢へ。
夕食は、吉野産の山菜や吉野川の魚など地元の食材を使った食事を堪能します。
発着 | 太鼓判 花夢花夢 |
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食事 | 朝食 |
宿泊 |
- 早朝、希望者は金峯山寺の朝座勤行へ参列できます。
その後、宿へ。
- 朝食後、荷物をまとめ桜守の活動に参加します。
桜守から歴史や活動内容などの解説を聞き、実際に桜守の活動を体験します。
※予定は、土壌改善作業を体験予定ですが、桜の状況により体験内容が変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
- 体験終了後、宿へ戻り解散。(解散予定時間 12:30頃)
※駅まではバス、ケーブル、徒歩で移動が可能です。吉野を散策しながら吉野駅へ移動することをお勧めいたします。昼食もとれるお店もございます。
Daily Digest
2024.05.11 (sat)
晴れ (24℃ / 11℃)
当日の服装天気も良く風もほとんどないため、活動中は薄手の長袖や半袖で十分であった。日差しが強く紫外線対策が必要。
11:20 近鉄吉野駅に集合
近鉄吉野駅に集合後参加者同士の顔合わせを済ませ、ロープーウェイに乗り込み吉野山駅へと向かう。今回の旅のツアーリーダーでもある吉野ビジターズビューローの紙西さんが日本で一番古いロープーウェイと教えてくれた。レトロな雰囲気のある客車から今回の旅のキーワードである桜の木を見ることができた。
12:00 昼食
各自昼食をとる際に、歩きながら悩んだ末みなさん同じ食事処となった。
私が今回訪れたのは「豆腐茶屋 林」さん。様々なかたちで美味しいお豆腐を味わうことができる。12:50 吉野の象徴、金峯山寺へ
吉野山の象徴、そして 修験道の修行の拠点として知られる金峯山寺を訪れ、修験僧侶(山伏)である田中さん、采女さんより吉野の歴史や修験と桜の関係などの法話を聞かせていただいた。
およそ1300年前、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が一千日間の修行の末に金剛蔵王大権現(ざおうだいごんげん)を感得され、そのお姿を山桜の木に刻み吉野山にお祀りしたことが金峯山寺のはじまりであり、桜の木が御神木として崇められ、祈りを込めて植えられてきたのが吉野山の桜である。春に訪れる人々の目を楽しませてくれる吉野山の桜には、1本1本にこの地に赴いた人々の思いがあることを知ることができた。法話を聞いた本堂・蔵王堂の中は凛としており、私たちに自然の力強さを与えてくれるようだった。
14:10 路線バスへ乗り、奥千本口へ
金峯山寺で法話を聞いた後、路線バスへと乗り奥千本口へと向かう。今回の旅では山伏のお二人とともに、吉野山を歩かせていただいた。始まりとなる修行門の前で「ここから先は修行という気持ちで歩いていきたいと思います。」と、参加者の気持ちも引き締まる。山伏とともに参加者も祈りを捧げ、1,000年以上続く歴史や文化を学びながら各所を巡っていく。
登り道では「さーんげさんげ(懺悔懺悔)、ろっこんしょうじょう(六根清浄)」と掛け念仏を声に出しながら歩いていく。大変な登り道でも、全員で声をだすことで自分を奮い立たせ前へと進むことができ、またしっかりと息を吸って吐くことができる。先導いただいている山伏の声に引っ張られて、あれこれ考えずに声を出し前に進むことに集中する。普段の山歩きでは感じることのない、自分の内側から力を出している、そんな気持ちを持ちながら歩いていた。
大峯奥駈道の旧女人結界碑。現在の女人結界は奥駈道を進んだ先にあるが、昭和45年まで現役であった。ここから青根ヶ峰へと向かう。 水が豊富な吉野、多くの文人墨客も訪れたこの地を知れば知るほど多くの人を惹きつけてきたことが分かる。 途中見つけたルリセンチコガネ。 吉野の山々は新緑も相まって緑のグラデーションが美しい時期であった。17:30 歩いた後、宿へと移動
桜に込められた祈りや思いそれらを繋いできた歴史や文化を感じ、また山や自然に対する考え方に触れ、きっとそれぞれが感じた吉野があったと思う。山伏のお二人に別れを告げ、本日のお宿「太鼓判 花夢花夢」へと移動。地元の食材をふんだんに使った食事やお風呂に癒されながら1日目が終了。
2024.05.12 (sun)
曇り時々雨 (25℃ / 17℃)
当日の服装朝から雨が降ったり止んだりしていたが気温は低くなく、半袖にレインウェアを羽織りちょうどよい気温であった。
06:30 金峯山寺 朝座勤行
早朝、金峯山寺の蔵王堂内で行われる朝の勤行に参加させていただいた。参加は任意であったが、参加者全員が朝早く起きて金峯山寺へと向かう。背筋が伸びる時間を過ごし、朝から心身ともに整う時を過ごした。
09:00 吉野の桜を守る 桜守の活動に参加
旅の2日目は吉野山の遺産を維持継承し山桜を保持する活動を行っている吉野山保勝会の桜守の活動に参加させていただいた。3名の桜守が、約50ヘクタール・3万本の桜樹林を1年中育成・保全・管理を行っている。吉野山の桜はシロヤマザクラが中心。交配にも気を使いながら現在2本ある母樹の種子拾いから始まり、種植え、苗木になるまで育成してから植樹を行う。他にも土壌改良や草刈り、鹿対策などその活動は幅広い。活動の内容や桜を保全する立場からのお話を聞かせていただいた後、今回は「土壌改良」の活動を行った。
桜守の伊藤さん、山口さん、奥西さん。それぞれのきっかけや思いを旨に1年をかけて広大な範囲で様々な活動を行っている。
はじめに手順を教えていただいてから作業スタート。二人一組で1本の木に対して3か所に土壌改良を施す。太い根を傷つけないよう気を付けながら、土を柔らかくし微生物を増やし、水が通るように作業を進める。微生物を増やすために使用するのは化学肥料ではなく炭、その他に使用する素材も道路に張り出した枝葉などを切ったものである。
「なるべく自然のかたちで」と、環境にも配慮しながら作業内容は試行錯誤しながら行っているとのこと。土壌改良に終わりはなく、場所を変え、時には以前に実施した場所と同じ場所で作業を行うと言う。
最後に活動の感想を伝え合ったが、活動した時間は僅かであるものの、少しでも吉野山の桜の保全や桜守の活動に貢献できていたらと願う声が多くあがった。
12:30 吉野にて、解散
今回の旅は吉野の魅力そして歴史や文化、これらを過去から現在、未来へと繋ぐ地域の人たちの思いを感じることのできる旅であった。何度でも訪れ、桜の姿を見守っていきたい。